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「もしかしたら・・・あのツバメは・・・?!」
ムクドリのミヨコは、身体中に付いた桜の花びらをふるい落とすと、桜の木の枝から飛び立ち、通過したツバメを追いかけた。
「あーー!!速いっ!!私、ムクドリの羽ばたきでは追い付かないわ?!」
ムクドリのミヨコはひいこらしてバタバタと慌てて羽ばたいて、それでも必死に猛スピードで飛んでいくツバメを追いかけた。
「建物の出っ張りに留まった!!チャンスだわ!!ねぇーーーー!!君ぃ!!もしかしたら、君は『ツバメのセーコ』ちゃん?!」
「セーコちゃん?誰それ?『ツバメ違い』じゃないんけ?ムクドリさんよぉ。」
「あ、『ツバメ違い』でしたっ!!すいまへん。」
ムクドリのミヨコは赤面して平謝りして逃げたが、今年もツバメが戻ってきた事実は変わり無かった。
「セーコちゃんは帰ってきてる!!絶対にこの街に帰ってきてるに違いないわ!!」
「その『セーコちゃん』って私のこと?」
ムクドリのミヨコが振り向くと、見覚えのあるツバメ独特の尾羽や顔をが見えた。
「あっ!!ツバメのセーコちゃん!!帰ってきたの?!お帰りぃ!!」
ムクドリのミヨコは、満面の笑みを浮かべて長旅をえて街に戻ってきたツバメのセーコを労った。
「で、どうだった?どんな旅だった?向こうで何か起きた?聞きたーい!!」
ムクドリのミヨコは目を輝かせてワクワクした。
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