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「うーん、何から話そうかなぁーーー!!」
ツバメのセーコは、ムクドリのミヨコにいろんな旅話を聞かせた。
休んでる塒で、いきなり火事が起きて大変だった事。
海の上を飛んでいた時に、いきなり台風に巻き込まれて仲間をいっばい失った事。
猛禽類の襲撃で、命からがら逃げ延びた事。
「思ったよりシビアだねえ。思わず絶句しちゃったよ。」
「でもねぇ。辛いことばかりじゃないわ。
上空からみえる1面の花畑、美しい山林そして海にはイルカが泳ぎランデブーしたり、
そうそう、渡り鳥とニアミスして友達になったわ。」
ツバメのセーコは、目を閉じてうっとりとした。
「セーコちゃん、やっぱり世界って広いわねぇ。
じゃあ、私はセーコちゃんが旅立った後の街での私の生活を話すわ。
私、セーコちゃんがあの街角の巣で雛育ててた時に廃屋の雨戸の隙まで雛育ててたでしょ?
でもね。秋にその廃屋はアパート建てるみたいで人間に取り壊されちゃって今年は何処で巣を作るか困ってるの・・・
それにね。夜に塒にしてムクドリ仲間達の出逢いと語らいの街路樹。
このひとときを楽しみにしてたのに、人間が迷惑がってさ。木の枝にネット被せちゃって・・・みーんな人間に追っ払われて・・・」
「そりゃ大変ね。ミヨコちゃん。私も粉の街で巣を落とされたりして人間に危害された身だからひとごとじゃないね。
じゃあ、良いことは何かあった。」
ムクドリのミヨコは首を振った。
「セーコちゃん。聞いて、」
「なあに?ミヨコちゃん。」
「セーコちゃんが南の国に旅しに行った後、街の様子が変わったから。今から案内するね?
セーコちゃんが失望しかねない街の変貌ぶりがあるから、心して見て。」
「え?」
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