門倉研二のパターン

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門倉研二のパターン

 俺は役者を目指している役者の卵だ。いつか役者として舞台に立ちたいと思っている。  役者として稼げてない俺は、演劇の練習をしながら、ドラマのエキストラのバイトをして暮らしていた。  そんな俺が飛び上がるほど嬉しい話を目にした。演技の練習について書かれた月刊誌の中に記載されていた。 『エキストラオーディション! エキストラをした人の中で受賞者一名だけドラマの主役に抜擢します。エキストラ経験のある人ならどなたでも応募できます。あなたのエキストラとしての演技が試される時です』  俺は今までエキストラを数えきれないほどしてきた。このオーディションなら俺の演技力を試せるかもしれない。エキストラなら負けない自信があった。俺は目をぎらつかせて応募した。  オーディションではドラマ撮影の時に、エキストラとして街中を歩く、喫茶店の客、殺人をする場面の目撃者になる、という演技をするようだ。  街中を歩くことや店の客になる役はとても多かった。おそらく殺人をする場面の目撃者が最も重要なのだろう。オーディションの注意事項として受賞者が選ばれない場合があると書かれてあった。
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