置いてくタイプの台風みたいな女の子

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 なにか大きな力で強引に捻じ曲げられない限り、できるだけ平穏な日々を過ごしていたい。だれにも邪魔されずに本を読むのが最高に幸せな時間で、だからおれは図書委員になった。  なのに―― 「もうなにもかもわからないよ!」  ――ここが図書室なのを分かっていないのか、おれがいる受付席からいちばん遠い席に座るふたりの女子のひとりが大声で喚いた。慌ててたしなめるもうひとりは同じクラスの横川磨智(よこかわまち)で、喚いたほうの女子はちがうクラスの……たしか名前は、ノリコだ。漢字も名字も知らないけど、ノリコだということだけは知っている。  それに、横川磨智もノリコも気がついていないんだろうけど、おれは昔ふたりが公園で起こした事件の目撃者だった。
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