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いつも、この場所に来てから毎日欠かさず願っていることがある。
「オリバー、早く来いよ!向こうの草原で駆けっこしようぜ!」
「うん、今行くよ!」
飛び跳ねて僕を呼ぶ仲間に大きな声でそう返した後、僕は空を見上げる。この場所はいつだって青空と虹が見える。
(オリビア……)
この空と同じ青い目に、蜂蜜みたいな色をした長い髪の少女の顔を頭に浮かべる。彼女は今、笑っているのだろうか?泣いているのだろうか?僕のことを、ちゃんと覚えていてくれているのだろうか?僕はオリビアの「今」を知ることはできない。ただ、いつも願ってるんだ。
「オリビアが幸せでありますように」
僕ーーーオリバーが生まれたのは、イギリスという国のヨークシャーという自然豊かな場所。真っ白なふわふわの毛で覆われたお母さんと、五匹の兄弟がいて、いつも広い庭を歩いたり、お母さんに体を舐めてもらったりしていた。
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