愛しいジェラシー

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 私はベッドに優しく降ろされて、すぐに甘くて濃密な口づけをもらう。  先生は眼鏡を外して、サイドボードに置いて、また息つく間もなく唇重ねる。  ぶかぶかのTシャツの中に、先生の大きな手が滑り込んできて、私の体を触る。腰、胸それから背中に回って、プツリとブラジャーのホックが外れる。それと同時に先生の吐息を耳元で感じてぞくりとした。  そして、あっという間に身に着けているものをはぎ取られ、唇が首筋をなぞり、それもしだいに下がっていく。  「ん……あっ…」  漏れ出てしまう自分の声に恥ずかしくなりながらも、我慢が出来ない。  「紗雪、かわいい…」  先生は私の体中に大きな手を滑らせて、私はその心地よさにもっと、もっと、と体を反らさずにはいられない。  私も先生のシャツの中に手を忍び込ませて、筋張った体を手でなぞる。  先生からも甘い吐息がもれて、私はそれだけで下腹部が疼いた。  先生の手は優しく、気持ちの良い場所を心得ていて、ここでも経験値の違いを感じて、少しだけ嫉妬してしまう。しかし、そんなことなどどうでもよくなるくらいの快楽の波が、次から次へと押し寄せてきて、私は何も考えられなくなっていた。  何度か愛撫で果てた後にようやく結ばれた。そして、押し寄せる快楽に溺れながら見えた先生の余裕のない顔がとても愛しくて「…んっ…すき…」と手を伸ばした。  先生はそれをつかまえて、ギュッと握りしめてそのまま抑え込んだ。  それから吐息の合間に深くて甘いキスをくれる。  そして私が先に達して、すぐに先生がその後を追った。  果てた後、のっしり私の体に先生の重みを感じる。  そして、先生は体を起こしてフフっと微笑んで唇にチュっと軽いキスをした。それから「はぁ…」と、二人、甘いため息をついた。  私の知らない間に、当たり前にアレを用意してくれていたことには、関心してしまう。  いつの間に買っていたんだろう…  私はパンツとぶかぶかのTシャツを着ながら、先生がアレを買うシーンを想像した。  カチャっと目を覆うように眼鏡を直しながら、あの小箱をレジに出しているところを想像してしまって、つい笑ってしまった。  恐らく実際は、それ一つでは買わないだろうし、買う時もスマートなんだろうけれど…  先生が足元に追いやられた布団を引き連れて「どうしたの?」と私の顔を見つめた。  私はフフフと笑って「幸せだなーと思って…」と先生の胸に顔を寄せた。  上品なサボンと先生の汗が混じった香りが、また私を興奮させる。  私が先生の胸元に唇を寄せると、先生は私の額に優しいキスをくれた。
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