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七日目
さて・・。
どうなるか・・。
俺はもう、今日イセエビが連れていかれた後の事しか考えられなかった。
今回連れてこられた二匹は、流石に一緒に連れてこられただけあって、
かなり仲が良いみてえだ。
他の生物の事は完全に無視して、二匹だけで色々話をしてやがる。
どうやらここから脱出しようと企んでいるようだが・・。
そんな事出来るのか?
出来るんだったら、ぜひその方法を教えてもらいたいもんだぜ。
もっともお前達のどちらかは、すぐに連れていかれる事になるがな。
夕飯の時間が始まる少し前に、調理場に一番近い所にいたイセエビが連れていかれた。
すでに予約が入っているので、客が来る前に調理するからだ。
難を逃れたイセエビは、それをじっと見つめていた。
話をしていたので、二匹はかなり近い所にいた。
が、紙一重の差で助かったんだ。
本当に紙一重の差だった。
少しだけ、コイツの方が中央に近い所にいた。
場所が反対だったら、コイツが連れていかれただろう。
そして、次に仲間がバラバラにされたのを見た時は、
流石に顔が青ざめていやがった(まあ、見た目は赤色なんだが)。
さて
どうだ!?
何かに気付いたか?!
見た感じは
仲間が調理された事にショックを受けて
それどころじゃ無さそうだが・・。
・・・。
どうやら大丈夫みたいだ。
特に俺に何も言ってこねえし。
けど、あのショックの受け方は尋常じゃねえ。
流石の俺も同情したくなる。
だが、そうも言っていられない。
明日は我が身なんだからな。
こっちの暗い空気を他所に
人間達はいつも通り楽しそうにしている。
まあ、無理もない。
人間は食物連鎖のトップの生き物だからな。
自分達が食われる事なんてほぼ無いから。
けど何故かな。
人間達は時折ふと寂しそうな顔をしやがるんだ。
どいつもこいつもだ。
何か辛い事があるんだろうか?
人間の世界には人間の辛さがあるんだろう。
そう考えると、人間に対しても同情したくなる。
ちっ・・。
情けねえ。
俺が感傷的になるなんてな。
とにもかくにも
今日も何事も無く終えられそうだぜ。
新人達に感謝だな。
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