九日目

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九日目

いや~! 俺って何て運が良いんだろう!! 安全地帯に気付けたのは俺だけ。 他に気付いた奴は、気づいた瞬間調理された。 ざま~みろってんだ!! おまけに、すぐに新しい奴が追加されたと来やがった! これはもはや運命としか言いようがない。 俺は天に生かされているんだ! 何者かに『生きろ』と言われているんだ!! こうなったら この世の最期まで生き続けて、 全ての理を見届けてやるぜ!! おっ? 白衣の男がやって来たな。 さてさて 今日連れて行かれるのは サザエかな? アワビかな? それとも イセエビかな? 何にせよ 俺じゃない事だけは確かだ。 俺が今いる所は安全地帯だし、 それより何より 今の俺はツキまくってるから・・。 ・・・。 あれ? 手が・・ 俺の真上に・・? 嘘だろ おい。 誰か嘘だと言ってくれよ。 うわあああああ!!!! 嫌だ!! イヤだ!!!! 食われのは嫌だああああ!!!! 駄目だこりゃ。 こうなっちまったらどうしようもね~な。 潔く諦めよう。 調子に乗った俺が馬鹿だったぜ。 皆は気をつけろよ。 人生・・いや エビ生の先輩からの最初で最後のアドバイスだ。 どんな時でも、決して油断しないように。 ああ・・。 これが先に逝った奴らが見てきた光景なんだな・・。 俺もすぐに後を追うからよ・・。 じゃあな。
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