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第二章
「お坊ちゃま、ではこの客船にお乗り下さい」
「うむ」
旅立った二人は身の安全に気をつけます。
しっかり者の有能な侍従は仕える若君に素速く手続きをしました。
見上げるような大型船へ、万全に周囲へ眼を光らせながら気を配り、主を船室に案内します
と言うのも、路銀として懐に大枚を隠し持っている以上、いつ何時、賊に襲われるやも知れないからです
「お妃様の生国〜
『山脈の国』にはいつ到着だ?」
「今からの行程〜
先ず『海の国』に渡り
その後『岸の国』『熱砂の国』『平原の国』、つつがなく通過してからです」
「そうだな」
広い船室内は揺れるものの清潔で、ファハドは大切な旅の仲間である鳩達に餌と水を与えました
「お前達が頼りだからな」
優しい微笑みと共に指先でモフモフの羽毛をかきかきしてやりました
すると六羽の鳩〜
強靱な脅威の身体能力を持つ、足が太く頑丈で逞しい筋肉の強い翼の鳥達は誇らしげに胸を反らし
「任せて下さい!」
〜クルックーと大きく喉笛を鳴らしました
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