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「わかる? 今から露出狂になろうとする人の不気味さが」
「や、やめ」
「自分の目が、恥じらいが、露出狂を生み出すかも知らない恐怖、あなたも感じてる!?」
「わ、わかった! わかったから!」
彼は両手を腰紐から離して上にあげた。完全降伏の証しだ。
「よかった。わかってくれて」
彼は悔しそうに、そしてホッとしたように呟いた。
「本当は俺も思っていたんだ。こんなことしちゃいけないんじゃないかって」
わかってたんかい。
「でも、どうにもやめられなくて」
いや、やめられるだろ。理性をランドセルと一緒に捨てたの?
「本当は誰かに止めて欲しかったんだ。たぶん」
たぶんってなんだよ。
私は彼の前に立った。そしてジッと彼の顔を見つめた。彼の顔は泣きすぎてぐちゃぐちゃになっていた。
「ゴメン、俺……、」
彼がなにか言いかけていたが、かまわず私は彼をビンタした。
バシッ!
彼の顔が残像を残すぐらい早く、横に振れた。
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