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最初に気づいたのは、仕事中だった。 ファイルに書き込んでいる時で、いつになく集中していたにも関わらず、パチ、パチ... という音が耳に入ってきた。 小さな音なのに、やけにハッキリと。 キーボードの音じゃない。 梱包資材のプチプチを潰すような音でもないし、もちろん 拍手でもない。泡が弾ける音でも。 聞いたことがない音だった。 でも その音を擬音にするなら、やっぱり パチパチだ。 何の音だ?... と 周りを見回しても、あんな音を発する様なものは何も無い。 「... 疲れてたし、空耳か? とか思ってさ。 まぁ、その時は そこまで気にならなかったし、仕事に戻ったんだよ」 ウイカに「その音って、何に近い音なの?」と 聞かれたから 「さぁ。実際には無い音、かな」と 返して、続きを話した。 つい、組んでいる足に沿ったスカートのラインに落とした視線を、また顔まで戻しながら。 パチパチ という音は、帰宅途中に寄った コンビニから出た時にも聞こえた。 会社で聞いた音と同じ音だったけど、違ったのは 音がした方向だった。
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