「星ではない何か」

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僕はいま飛行機に乗っている。住んでいるのは仙台市。今から向かうのは福岡県。 飛び立つ飛行機の中でまどろむ。時間はお昼。窓から見えるビルたちがどんどん小さくなっていき、海も見えるようになってきた。壮大な景色に一安心して、椅子に気持ちを任せる。 「こっちよ!こっち!」 土曜日ということで家族連れの声も聞こえる。 椅子にゆったり腰掛け、思い返されるのは彼女の記憶。ゲーセンのプリクラで盛れすぎた顔を見て驚く顔、手芸作品を出品して売れた喜びの顔、習い事をしたいと言ってパンフレットを沢山持って帰ってきた顔、何気ない、いくつもの表情を思い返す。 飛行機はぐんぐん上昇し、いくつもの雲を突き抜ける。空色の景色に白い雲が混じる。
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