「星ではない何か」

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気がつくと今乗っている飛行機はもう下降の体勢を取っていた。すれ違う雲たちが見える。青い中に紛れる白い雲。飛行機の中は気持ちのいい温度で、まだ気持ちが微睡んでいる。 「また会えたね。」 ふとはっきり目を覚ますと、彼女の声が聞こえた。耳元で優しく囁かれたようだった。驚きながらキョロキョロする僕。彼女の声はそんな僕にさらに語りかける。 「おめでとう。これからも頑張ってね。」 どこから聞こえるのか、動揺はしたものの、彼女の優しい声に怖い気持ちは生まれなかった。 空へ昇ると星になると聞くが、僕の彼女は雲になったようだ。僕の夢が叶った頃、彼女の夢も叶ったのだ。ほんのり聞こえた彼女の声を心に秘めて生きてゆく。
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