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翌週、ひろちかのいなくなったクラスでリレーの練習に挑んだ。
ひろちかが抜けた分はヒデトが走った。
ヒデトは2人分の走者を務めたとは思えないスタミナでアンカーを駆け抜け、5年2組はぶっちぎりで過去最高タイムを叩き出した。
「ちょうどよかったじゃん!」
腕から血を流すひろちかを見て、誰よりも青ざめていたことなんて忘れてしまったのか、ヒデトは頬を上気させ、大きな手柄を取ってきたかのように胸を張った。
誰も否定しなかった。
ひろちかがいなくなった今、次のターゲットに指名されることを、誰もが心の内で恐れ怯えていた。
結局、今年の運動会は中止になって、5年2組がリレーを走ることはなかった。
運動会前日の給食の時間に、ある事件が起こったからだ。
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