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『 たまご 』
思い出…なんてのは
不意とくる俄か雨ですが
記憶の糸がひょいと
繋がるんですね…。
先日、信号前の塾で
卒塾の生徒さんが
名残り惜しそうにしてる
様子をお見受け致しまして…
ひょいと…思い出したことが…。
塾勤めの頃、三月の最終授業、
一応最後の挨拶を〆に
しておりました。
「愉しい時間をありがとう。
少しずつ大人になる
君達が私の励みでした。
またいつか、ここで
今度は同僚として
共に働ける日を
待っています」
正直…いつの間にやら
“決まり文句”で述べていた
それだけの気がします、
気持ちなんてあったかなあ…
まだ私も若かったし
（良いこと言うとけ）
…みたいなもんですわ。
ところが、数年したある春…
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