祖父と闇

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「…う、、ぅあ、くっ」 「じぃちゃん!」 「大丈夫ですか!?」 「父さん!」 「しっかりしてくださいな、お父さん」 身体を震わせ苦しむ祖父に両親と祖母も 席を立つ。 「救急車!」 父が母にそう叫んだ時、祖父が何か言った。 「…うっ、、、うぅ、ぅず、く、、」 「え?じいちゃん、何?」 問いかけた俺に、救急車を呼ぼうと携帯を手にした母もこちらを見た。 「うぅぅぅ、ぅずくぅぅ」 「え?」 「はがぁぁ、歯がうずくぅぅ」 「……は?」 え、歯が疼くって言った???聞き間違い? 「歯がぁぁ、歯がうずくぅぅぅ、、!」 「……うん、」 聞き間違いじゃなかった。 嘘でしょ?今更厨二病発症?? 嫌だよ恥ずかしい。恥ずかしすぎる 「……救急車、呼ばなくていいと思うな」 「…そうだな」 「…えぇ」 なんとも言えない空気が食卓に広がった。
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