リフレイン

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18時、私は高架広場にやって来た。予報通り雨は激しくなっていた。足早に行き交う人たちを見ていた。いつもの場所は雨に濡れ、とても歌を歌える状態ではなかった。 1人で見に行った日以来、彼とは会話をしていなかった。ライブを重ねる毎に増えて行くギャラリーが、いつも私と彼の間を塞いだ。 携帯画面の時刻は18:08。あと2分経ったら帰ろう。 「…あの」 声のした方へ視線を移すと、そこには彼がいた。予想外の事に適応出来ず、声が出ない。 「どうも」 「…あ」 さっきまで、傘を打つ雨の音がうるさかったはずなのに、今はもう聞こえない。 「雨の日は、中止…です」 「何で…」 「来てくれてる気がして…」 優しく笑う彼の顔に、鼻の奥がツンと痛んだ。 「はは。すいません。帰ります…」 涙が出そうで下を向いた。 「少し…時間ある?」 「え?」 「下のファミレス、付き合ってくれない?」
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