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5月の連休明け、横川さんに連れられて高架広場にやって来た。
「本気出した私のネットワークを褒めてくださいね‼︎」
そう言って帰って行く横川さんの声は、私には聞こえていなかった。
ギターケースを背負った後ろ姿が振り返る。
彼の事しか見えない。
彼の声しか聞こえない。
「…久しぶり」
変わらない笑顔に涙が溢れ出した。やっとやっと絞り出した声で、初めて名前を呼んだ。
「……島谷くん」
「元気だった?」
4年前と変わらない声だった。
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