第一話:はじまり

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「今は眠られよ。 いくらシグルドの肉体とはいえ、あなたに馴染むには時間はかかる。 明日からの稽古をつける。 その時に、この世界について説明しましょう」  そう言って、私の額に指を当てて、自らの意志で動かした身体をまたベッドに横にさせた。 「言い忘れておりました。 私は、ノルナゲスト(北欧最後の使者)ですじゃ」  麻布のローブの男が、周囲に肩腕を上げて合図すると、この空間から人の気配が徐々に消えていった。  この男性は、ノルナゲストと言うのか。 少なくとも、先ほどの連中の中では、それなりに権力を持った人なのだろうと感じた。
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