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「痛みを感じますでしょう?
ですがその肉体は特別なもの。その程度のものは、あっという間に回復します」
腹部の衝撃が和らぎ、ノルナゲストの言葉通りに、すぐに痛みから解放された。
そして、体勢を整えたのだけれど……。また腹部に衝撃が走った。
その次も、またその次も同じだった。
その度に、私の身体はくの字に折れ曲がる。
「ほらほら、何をやっておられます?
ちゃんと剣を構えないと、状況は変わりませんぞ?」
そう言って、右手の人差し指と中指を立てて、かかってくるようにと手招きをする。
どうにか剣を構えないと……。
「先に言いましたが、その肉体が馴染めば、あなたのそれになっていきます」
そしてまた衝撃が走る。
さっきのよりも強いやつだ。
めちゃくちゃ痛い。
その痛みはすぐに癒える。けれどまた痛みが来るだろうという不安が先行して、さらに身体が動かせない。
「ひょっとして、やる前から諦めておられるのですかな?
あなたにとっても、これは千載一遇の事でしょう?
無駄にされるおつもりですかな?
本気を出しなされ!
動かせて当然と思いなされ」
その言葉と同時に、また強い衝撃が腹部に走る。
それでも、私にはどうすることも出来ない。
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