第一話:はじまり

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 私の腹部に来るはずの拳を右手で払いのけて、左手に持った剣を軸にして、ノルナゲストの背面に回り込む。そうして、肩甲骨に拳をあてる事が出来た。 だがしかし、なんのダメージにもなっていない様子で、微動だにしていない。 「そうそう。悪くはないですな」  そう言うと、ノルナゲストは私の足をすくい、肩を持って私の身体を地面にめり込ませた。 さっきよりもすごい衝撃だ。でも、何故か身体は軽く感じる。身体が少し慣れてきたってことなのか? やがて、私が体勢を整えた頃、 「では、次はちゃんと剣を持ちなされ。 剣術と体術を、我を見て盗んでいかれるがよろしい」 剣……剣を持つ…… 構える………   「本物の剣ですからの。 切られると痛いですぞ」  痛い?  そんなので済むのだろうか? どうにか避けないと……。 そうじゃないと、死んでしまう……。  私の中のその気持ちが、剣を両手で握らせた。 切っ先をノルナゲストに向けることを意識すると、思いの外軽く感じた。 これならいけるか。
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