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「くっつくと信じるのですじゃ。
出来て当たり前と思うのですじゃ。
その肉体は特別なもの。
出来ないはずがありますまい」
信じる……
出来ると信じる……
私は痛みに震えていた。
出来ると信じる……。
「ゆっくりと冷静に。
呼吸をするように当たり前だと思うのですじゃ」
呼吸をするように、当たり前に……
すると、みるみるうちに、腕が元通りにくっついていった。
この身体、すごい!!
「よしよし。その意気ですじゃ。
少しは慣れてくださいましたな」
そう言って、自らの顎髭を撫でながら、
「あなたの名前は、ヒナゲシと言いましたかな?
ですがその身体は、我らグングニル皇国の御神体であり、その肉体に宿る御魂こそが皇であり、シグルドとなるのですじゃ。
ですから、これからのあなたは、『ヒナゲシ・シグルド』と名乗るがよろしいですぞ」
と付け加えたのだった。
ヒナゲシ・シグルド……
それが、この夢の中での私の名前か。
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