第一話:はじまり

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「くっつくと信じるのですじゃ。 出来て当たり前と思うのですじゃ。 そのは特別なもの。 出来ないはずがありますまい」  信じる…… 出来ると信じる…… 私は痛みに震えていた。 出来ると信じる……。 「ゆっくりと冷静に。 呼吸をするように当たり前だと思うのですじゃ」 呼吸をするように、当たり前に…… すると、みるみるうちに、腕が元通りにくっついていった。 この身体、すごい!! 「よしよし。その意気ですじゃ。 少しは慣れてくださいましたな」  そう言って、自らの顎髭を撫でながら、 「あなたの名前は、ヒナゲシと言いましたかな? ですがその身体は、我らグングニル皇国の御神体であり、その肉体に宿る御魂こそが(すめらぎ)であり、シグルドとなるのですじゃ。 ですから、これからのあなたは、『ヒナゲシ・シグルド』と名乗るがよろしいですぞ」 と付け加えたのだった。 ヒナゲシ・シグルド…… それが、この夢の中での私の名前か。
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