第一話:はじまり

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 誰に尋ねるでもなく、 「ここは……どこ?」  そう呟いてみると、また軽いざわめきが起きた。 「これで、残されていたのが我々の世界だけではないことがわかった。」  麻布のローブを着た人がそう言うと、彼の回りの人々がこぞって言葉を口にしていた。 「ですが教典では、と記されています。 この世界の、誰かを呼び寄せたものの可能性もありましょう。 まだ召喚されたものとするには、まだ確固たる信用が得られておりません」  誰かが口にした言葉は解る。 つまり、これはファンタジー的な何かなのね。 「……現に、永らく封印されていたシグルドに魂が宿った。それは事実じゃ。 それに、ブリュンヒルデの予言の通りなら、を迎えるのはもうすぐじゃ。 もう猶予はないぞ」 「ガロアが攻めてくる。と言うことですか?」 「ガロアなど、我らの敵ではない」   「これで怯えなくてすむではないか!」  それ以外にも、所々で不安と希望をないまぜにしたような声が聞こえる。 「しかし、あちらにもシグルドと同様のものがある。 我々が封印解除できたということは、無論あちらもそうであろう。 遅かれ早かれ、あの機械化帝国ガロアは、我々に対して戦争を仕掛けてくるじゃろう」  ローブの人がそう言うと、一斉にどよめきが起きていた。
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