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ガロア、なんのことだろう。
攻めてくる、何かの名称には間違いないようだけど。
それよりもまず、この身体についてだ。
このごつごつした手に、太い腕。それに彫りの深い顎の感じ。
これは明らかに私のものではない。何よりも男のそれだということだ。
腕は動く。
では足はどうだろうか。
試しに動かしてみようか。
すると、いつもは重いはずの身体は、意識した通りに動く。
そうして、シーツの端で足を下ろすと、木製のベッドのきしむ音がした。
私は、そこで思いっきり深呼吸をした。
どこか湿度を持った風のにおいがする。
広い空間の向うには、柱と柱の間に夜の闇が広がっている。
ここは、どこかの礼拝堂なのだろうか。天井の明かり取りの窓からは、月明かりが見える。
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