第一話:はじまり

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 ガロア、なんのことだろう。 攻めてくる、何かの名称には間違いないようだけど。 それよりもまず、この身体についてだ。 このごつごつした手に、太い腕。それに彫りの深い顎の感じ。 これは明らかに私のものではない。何よりも男のそれだということだ。  腕は動く。 では足はどうだろうか。 試しに動かしてみようか。  すると、いつもは重いはずの身体は、意識した通りに動く。  そうして、シーツの端で足を下ろすと、木製のベッドのきしむ音がした。  私は、そこで思いっきり深呼吸をした。 どこか湿度を持った風のにおいがする。  広い空間の向うには、柱と柱の間に夜の闇が広がっている。 ここは、どこかの礼拝堂なのだろうか。天井の明かり取りの窓からは、月明かりが見える。
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