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横断歩道を渡り、自宅マンションを目指す。
徒歩十分以内で着く距離にあるためすぐに帰れるのがありがたい。
深夜なので、エレベーターもすぐにやってくる。
部屋の鍵を静かに差し込んでドアをそっと開け、樹は中に入った。
薄明かりのついた部屋。
本来ならこのまま服を脱いでシャワーに突入するのだが、ここで樹には最近新しいルーティーンが出来ていた。
寝室の扉をゆっくり開けて中を確認したあと、樹は囁いた。
「(ただいま)」
しかし、返事の代わりに聞こえてくるのは「すーすー」という寝息だけ。
汐里が眠っているのだ。
気持ち良さそうに眠る姿を見て安心した樹は、ふっと微笑み扉を閉めてシャワーに向かった。
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