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一体こいつら、あたしのことをなんだと思っているのか。
「酷いわ侑李クン!……と、まあ冗談はこれくらいにして」
ひょこっと侑李の後ろから顔を出す鶴弥。
「ヒントといえば、一個だけ俺も思いつくことがある。身長だ」
「え?鶴弥が侑李の後ろに隠れようとしたけどまったく隠れられてなくてかっこ悪いって話?」
「ちげーよ!俺じゃなくて、稚奈の身長のこと!あいつの背がどれくらいだったか覚えてるかって話!」
「あー」
思わず全員で顔を見合わせていた。このあたしは五年生で、身長は多分同い年の女子よりも大きい方。現時点で160cmある。さらに六年生の侑李は165cm。あたしよりもさらに大きい。侑李はというと小柄な方であり、現時点で130cmを下回る身長しかないはずだ(本人はもう少しデカいと言い張っているが、多分これくらいが妥当なところだろう)。
で、肝心の稚奈は四年生。侑李よりはだいぶ大きかったはずなので、身長はだいたい145cmくらいといったところではなかろうか。ということは。
「145cmだと、一番上の靴箱には手が届かないと思うんだよ。つか、上から二番目も厳しい。でもって、ここハシゴの類とかもないだろ?だから、あいつの手が届かないようなところにものを隠してあるとは考えづらい!どうだ、なかなか名推理だろ!」
「……なるほど、あんたにしてはいい視点じゃん」
想像以上に真っ当な意見だった。意外とこいつも頭が回るのかもしれない、と少しだけ鶴弥を見直すあたしである。
彼女の手が届かないようなスペースは除外できる。なるほど、そういう理由から“彼女がモノを隠しそうにないところ”を除外していけば、効率よく探索ができるのかもしれない。身長以外に、何かヒントはないだろうか。とりあえずあたしは稚奈本人の靴箱を覗いてみる。
が、流石にそんなに簡単ではないらしく、本人の靴箱には本人の上履きが入っているのみだった。
「稚奈ちゃんの靴箱が、一番隠しやすそうだと思ったんだけどなあ。だって、自分の靴箱の中って自分しか見ないから、ものを隠しておいてもバレなさそうじゃん?」
あたしがそう言うと、目の付け所は悪くないと思うよ、と侑李が言った。
「僕も同じことを考えてたんだ。つまり、隠しておいてもバレない場所かどうか。例えばさ、この玄関と靴箱って、定期的にみんなで掃除してるじゃん?ってことは靴箱に何か隠しててもさ、掃除の時に見つかって捨てられちゃったりしたら意味がないと思わない?」
「あー」
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