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夜がきて、朝がきて、また夜がきて、朝がきて――。
「それでね、それでね」
私はあれからずっと雄一くんと喋っている。失われた二人の時間を取り戻そうとするかのように。
『可哀想に。あの女の人まだあそこで喋ってるわ』
『ボケたのかしら。怖いわ、危なくてうちの子を外で遊ばせられないじゃない』
遠くからそんな会話が聴こえてくる。ちっとも気にならない。彼も話を聞いてくれてる。うん、うん、って、相槌をうって――。楽しいなあ。永遠に喋っていられる。ね、雄一くん。
もちろんだよ。やっとまた会えた、ボクのただ一人の友達。もう離さない。ずっと、永遠に二人でお喋りしよう。ずっとずっとここで――。
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