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3 対 5
もう練習試合したくねえなあ…。インターハイ予選直前、ゴールデンウィーク。俺は準備体操の屈伸して、座り込んだ。
先週、練習試合で、また負けまして、つか、『噛ませ犬』って言葉の意味を俺は、この体で思い知ったね!!
足を揃えて伸ばして、柔軟体操。俺は爪先を掴んで、最大級うなだれる。
やっぱ相手が弱っちいってわかってたって、勝てば、テンション上がるもんね!あ~~~~~~~噛ませ犬システム考えた人、天才だよっ!!俺は頭を上げる。今日も、負けてやるっ。
「山戸絆です」
「マエダ ユキです」
「ナルミ マユです」
まぶしい黄色のユニフォームの高身長女子3人、キター!!
今日の対戦相手は、インターハイ、ウィンターカップで優勝して、今、プロチームでバスケやってる紡のお姉さんと、その仲間たちだった。
「みんな~、バスケは好きかな~?」
「やめろよ、姉貴!」
「一応、バスケット教室ってことで、スケジュール入れたんだから、これ、やっとかないと。ねえ?」
紡姉は、仲間たちに同意を求めるが、失笑を返された。バスケット雑誌で、紡姉を見たことあったけど、実物、でけえな。紡と同じタヌキ顔のたれ目。ショートヘアで、ヘアバンドしてて、額全開。黄色のユニフォームが、目に痛い。
「あの~、選手の情報としてお聞きするんですが、みなさん、何cmあるんですか?」
顧問の鹿尾先生が聞いた。
「167cmです」
紡姉が答える。明らかに弟の紡・187cmより、でっけーのに、何十匹、サバ読んでるんスか。そして、サバを読みまくっても、晴より、でかい。
「じゃ、私、158cmです」
「私、172cmです」
ナルミさんとマエダさんが言う。サバ読んでも、172cmって、フツーに高身長だよね…。ナルミさんは、キツネ顔。茶髪をお団子にしてる。マエダさんは丸顔の、ゆるふわ系だけど、短いカーリーヘア。
「3人じゃ、3on3ッスか?」
誰かが聞いた。
「3X3」
ナルミさんが訂正した。その言い方、俺、慣れないんだよな~。
「ううん。5人で、かかって来~い!」
紡姉が両腕を上げて言った。両手を上げた指先から、足までの全長、何mあるんスか?と、俺は思った。
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