運命を変える方法

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 昼休み終わりの予鈴(よれい)が鳴って、俺は守谷を教室に戻した。 「部活、来いよ」  俺は言ったけど、守谷は答えなかった。  ふはああああああああああああああああああ……守谷が、ここまで闇堕(やみお)ちしてるとは、予想以上だった。  俺は自分の教室へ帰る途中、3年4組・国公立理系クラスの教室を扉の窓から覗いた。  本鈴(ほんれい)前の教室は、まだごちゃごちゃ、自分の席に戻ってないヤツも多い。(はる)は、窓際の2番目の席――席の横に立ってるヤツがいて、見えねえや。あれは、中目(なかめ)だな。理系クラスなんか行けない自分の頭の悪さを呪って、俺は廊下を歩いて行く。  去年の夏、晴が自分で自分の人生をブン投げるようなこと言いやがるから、俺はブチギレて言った。 「自分で変えれる未来だろ」  晴は冷たく笑って、俺に言い返した。 「じゃあ、お前、自分の未来、変えて見せろよ。試験で1位とってみせろよ。バスケで全国優勝してみせろよ」  そん時は俺、「試験で1位とれなくたって、一生懸命、勉強して、ちょこっとでも順位上げられたら、俺的には勝ちなんだ」とか、「部活だって勝てないから、勝つために、一生懸命、練習するんだ」とか、言ったけど。  そんな言葉で言うんじゃなく、現実(リアル)にマジで未来、変えてみせてやりてえじゃないですか。  試験で1位は、不動の学年1位に晴様が君臨してるから(2年1学期・期末試験を除く)、絶ッ対ムリなんで、全国優勝――のための1勝くらいなら、できると思ったんだよなー…  だから、運命変えるために、ピアス開けた守谷を笑う資格なんて、俺にはない。  開けっ放しの扉から俺は、自分のクラス3年1組の教室に入ると、窓際、一番目の俺の席では、優歌(ゆうか)がスマホ、いじってた。  昨日に戻ってしまったかのようなル~プ。俺は机の上に座る。 「守谷、」  優歌がスマホから顔を上げて、俺に聞こうとすると、本鈴が鳴った。 「どうだった?」  イスを立ちながら、優歌が聞く。俺より身長7mm低いくせに、このガタイと、トゲトゲ立っちゃう固い髪のせいで、でかく見えるのが、ムカつく。 「う~ん。ダメっぽい」 「マジか~」  でも、放課後、守谷は部活に出て来た。両耳のピアスは、外してた。
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