4月 スーパールーキー

1/1
前へ
/17ページ
次へ

4月 スーパールーキー

「フツーここで、すごい1年生が入って来る展開だよね?」 「そうそうそう」 「だよな~。流川(るかわ)も、桜木(さくらぎ)も、キセキの世代も、日向(ひなた)も、影山(かげやま)も、1年って、戦慄(せんりつ)する」 「天才バスケットマンとか、幻のシックスマンとか、入って来ないの?」 「仮入部、今んとこ、経験者7人、未経験が3人…」 「今年の1年、ちっちゃくない?」 「ちっちゃくないよっ!」 「うるせえ、優歌(ゆうか)。てめえに言ってねえ」 「男子バレーボー(男(だん)バレ)ル部のヤツも、それ、言ってました」 「問題は、未経験者だなあ…」 「バスケ童貞」 「そういうこと言うこと自体が、DT(童貞)の証明だから、やめれ」  仮入部の1年生を先に帰らせて、3年、2年は、片付け、モップ掛けしながら、話し合っている。部長・砂川は、いない。砂川が1年といっしょに行ったのは、部室のカギを開けるためだってわかってるけど、そのまんま、さっさと帰りやがったな…。部室のカギは、副部長の3年の(つむぐ)も、2年の陸奥(むつ)も持ってるから、いいとしても。  ゆるゆるバスケ部は、先輩後輩関係も、ゆるゆるで、「準備や片付けは、後輩、やっとけ」ってこともなく、みんなでやるのは、いいと思う。片付けして、モップ掛けして、こうやってだらだら、話してるの、俺は好き。 「明日は、ゲームやってみますか?仮入部で、基礎練(基礎練習)ばっかって、だるいじゃないですか」 「ごめんね!去年、仮入部の君たちに、基礎練(きそれん)ばっか、やらせて」 「去年の先輩たちを、ディスってるわけじゃなくって!」 「未経験つっても、バスケできないわけじゃないしね」  次の日。仮入部員1年と3年混合チーム VS 2年チームで、ゲームやってみてわかったことは、マンガみたいな展開は起きない。ということだった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加