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プロローグ 私とタロット
こんな私の中にも何人かの例外がある。一緒にいても違和感のない友人。彼女の名前は「優花」。その名の通り、優しく咲く花のような容姿。明るい性格。保育園の時からの友人。幼なじみ。いつもクラスの人気者。目立つ存在。
自然と「なぜ私と」と思ってしまう。以前、彼女に聞いてみたことがある。するとこんな言葉が返ってきた。
「保育園の時、一人でいる翠月に、優花が『なにしているの?』って聞いたことあったでしょ? その時、翠月が、石を見ながら言ったんだよ。『いま、いしのおはなしきいてる。こえ、ちっちゃいの。』って。あたし、単純だから『すげー!!!』って思ったんだよ。だから! あはははは!」
ひまわりのような笑顔とスタッカートの効いたトランペットのような笑い声が響く。安心して「私のこと」を伝えられる唯一の友人。
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