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静けさが戻る。もう一度、私の頭の中にタロットカードが浮かんだ。
――「18-月(正位置)」(過去)
「月」。このカードの一般的な意味は「不安、不安定、はっきりしない様子」。
リーディングを始める――。
月の苦悩に満ちた表情。何かに気付かないふりをしているようにも見える。
月夜の光。神秘的な夜。空は青く染まっている。明るい。神秘的だ。
犬やオオカミは何かを感じ、月に吠えている。
――『不思議な力に、気づかないふりをしている』
あの門の先には、月の光の下には何があるのだろう?
ザリガニが川の中から這い出して、門の向こう側に行こうとしている。
でも、這い上がれるかな? 川にいた方が安全なのに、なぜ?
月の光を目指して進もうとしている。
――『這い上がろうと、川を……なぜ? 川……、川?!』
「川だ!」
「かわぁ!?」
優花が素っ頓狂な声を上げる。
「川って、この近くには無いよ! いや待って……。川みたいな堀はある。」
「桜ヶ堀運動公園!!」
二人は同時に声を上げ、転びそうになりながらも走り出した。
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