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どうもしんみりして仕方がない。
せっかくの正月なのに暗い気持ちになっては行けないなと思い麻人はポケットからある物を取り出した。
「ほら、皓。お年玉だ」
麻人から渡されたお年玉を受け取りながらも、不思議な顔をしている皓に黎が説明をしてやる。
「いいな、俺も欲しい。お年玉はお正月に貰えるお小遣いだよ」
「そうなんですか…」
皓にとっては何もかも初めての事ばかりなのだ。本来ならもうお年玉を貰う年齢では無いかもしれないが経験させてやりたかったのだ。
「はい、黎の分もあるぞ。今年は特別だ」
「まじ⁉︎やったー」
黎は自分の分もあると知り大喜びだ。辛い過去を背負い傷付いて来た彼らに今だけは幸せを与えたかったのだ。
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