闇への招待状

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 麻人が見ている写真が気になり黎は覗き込み写真を見た。 「ーーっ!」  黎は写真を見た瞬間、激しい頭痛に襲われその場に蹲ってしまった。黎の様子に麻人は慌てて黎を抱き抱え椅子に座らせる。 「黎、大丈夫か⁉︎どうした?」 「……その写真見たら…急に頭が痛く、なって…怖くて、でも、その場所…前に、どこかでっ」  苦しそうにそう言うと黎はとうとう意識を手放してしまった。麻人はソファに黎を横にし上から毛布を掛けてやるのを皓が心配そうに不安そうな顔で黎を見ている。 「過去の記憶かもしれないな…。だが、思い出すのを体が拒否しているのかもしれん」 「黎にとっては辛い記憶かもしれませんね」 「海斗。事務所前の防犯カメラからポストに投函した人物を洗い出してくれ。何か手掛かりになるかもしれん」  この写真を見て黎は激しい拒絶反応をしめした。  黎にとっては辛い忘れてしまいたい記憶なのであろう。だが、事件の解決には黎に思い出してもらうしかないのだが無理矢理思い出させるのも酷だ。こればかりは自然に任せるしかないだろう。
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