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どこまでも一つに
高二の夏、俺は彼女に振られた。
その付き合いはとても一瞬のように感じた。
あれから5ヶ月14日後、彼女が他の男と手を繋いで帰っているのを見た。
(なんで俺じゃなくてあんな男?)
見かける度その想いが強くなった。
「ねぇ、お前って元彼いたの?」
ん? 二人の会話が耳に入る。
「うん。もう昔だけどね」
いや、まだ5ヶ月14日しか経ってないじゃないか!!
「へぇ~ どんな奴?」
「や、優しかったかなぁ・・・」
素直に嬉しかった。俺のこと考えて言ってるんだろ♡
近づきたかった。話しかけたい。
でも俺は、彼女を眺めることしか出来ない。なぜなら、あの二人はカップルだから。
俺の方が彼女を幸せに出来るのに。
俺の方が愛してるのに。
でも俺は選ばれなかった人間だから。
だけど
「もっと、一緒にいたい」
「もっと、繋がりたい」
「一つに、なりたい」
どうすれば繋がれる・・・?
「あ、あの・・・」
「何」
「今度一緒にーー」
「ごめんね。私に彼氏がいるの、知ってるよね・・・」
「じゃあ彼氏も混ぜて、」
「ごめん」
俺は惨めだ。
「また話しかけてるよ~ 彼氏がいるってのに」
「それなぁ 度を超えてキモすぎwww」
なぁ、俺は選ばれないのか?
これで何度目だろう。
「ハハッ... いいや、もう」
諦めるしか、ないな。
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「ねぇ、お前って元彼いたの?」
「うん。もう昔だけどね」
いつ別れたのかは忘れてしまった。
元彼は優しかった。たまに生理でイライラしてしまう私を、割れ物のようにそっと慰めてくれた。私にとっては最高の彼氏だし、理想の彼氏でもあった。
あれ・・・? なんで私、別れちゃったんだろ。
「へぇ~ どんな奴?」
急に言われると言葉が出ない。
「や、優しかったかなぁ・・・」
「でもお前の元彼、毎日話しかけに来るって噂じゃん」
それは本当だ。つい今日も
『あ、あの・・・』
『何』
『今度一緒にーー』
と誘われた。でも彼氏がいるから、と断る日々。
『じゃあ彼氏も混ぜて、』
『ごめん』
私は別に三人で行くならいいかなって思った。
(彼氏が束縛強いからな・・・)
「別れよう」って言ったら殺されそうな雰囲気だったし。
「大丈夫だよ。ちゃんと断ってるから」
「ふ~ん・・・」
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次の曲がり角で彼氏と分かれた。私は曲がるからと言って、いつも通り一人になった。
(ん? あれは・・・)
私の家の前に元彼がいた。
「え。なんで、ここに・・・・・・!」
私の家は教えてなかったはずなのに・・・!!
「あ。見ぃつけた♡」
しまった。つい声を出してしまった。
「なんの用、ですか」
「あなたに用があります」
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「あなたに用があります」
本当はこっそり隠れたかったけど、無理だった。
「えっと何を・・・」
「しょうがない」
右手に力を入れ、ソレを彼女の胸前まで持ってくる。
「な、何、持ってーー誰か助けてください!!!」
「静かにしろよ」
「嫌っ!!!っ...やめてよ!!」
彼女の涙をそっと拭う。
「ねぇ、何がしたいの・・・! こんなのいや、だよ!!」
彼女の頬を合わせ、無理矢理にでも目を合わせる。
「私、死ぬの? ヤダ、しにたくn」
そして
「あ、あぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!!!」
「いたいッ" い・・・イタイッ」
「ッ...ッッ” やめ"・・・あ"ッ・・・・・・」
「ぁぁぁぁ"あぁあ"ぁぁ"」
「・・・・・・」
俺は彼女を刺した。今日は別れて14日目だから、14回刺した。
静かになった彼女をそっとワレモノのように抱き締める。
「これで俺達、一つになれる・・・よな♡♡」
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