好きなんでしょ?

1/1
前へ
/8ページ
次へ

好きなんでしょ?

 キーンコーンカーンコーン 「気を付け、礼」 チャイムと同時に委員会の集まりも終わる。 (よし、帰ろう) もう疲れたし。暗くなっちゃうもんね。 「ねぇねぇ」 「ん? 何?」 話しかけてきたのは同じクラスで同じ委員会の人。いつも話しかけないでオーラあるからそこまで喋ったことないんだよね・・・ついたあだ名は『(一匹)狼』だし。 「俺と一緒に帰るのに、何先行ってんの」 ・・・は? 「え、っと・・・なんか約束でもしてたっけ?」 この人と話したの4月以来だし! 誰かと間違えちゃったと思いたい。 「一緒に帰るって」 私そんな約束した覚えないんですけど!? 「ご、ごめん。私ちょっと急いでるんだ~」 「何それ。俺と帰んないってこと?」 そう言うと手を握ってきて 「行こ」 といつの間にか二人で帰っていた。 (え...一緒に帰るって言ってない) ポトッ 「あ! 待てよ!! ハンカチ落としたぞー」 拾ってくれたのは一年の時同じクラスだった悠太(ゆうた)だった。 「ごめん!ありがとう!!」 「・・・うわ、ずるい。俺も名前で呼ばれたい」 グイッ 腕をもっと引き寄せて、 「ねぇ、俺をにしてよ」 手を繋ぎながら私を見つめる。 「なんか・・・グイグイ来るね」 「そうかな」 少し握る手が強くなった気がした。 ------  「私の家、ここだから」 あれからちょっと狼と話した。好きなゲームが同じらしく意気投合してしまった。熱く語っちゃったかも・・・// すると彼は繋いでいた手を 恋人繋ぎ に変えた。 そのせいで自然と向き合う体制になり、目が合う。 「・・・え、は」 「今更かもだけど、さ」 「 俺達、付き合お? 」 「・・・はい?」 頭が『?』でいっぱいになった。 話したの今日で久しぶりってのに。 今更・・・? どういうこと? 確かにゲームについて沢山話したかもしれない。興奮しちゃったかもしれない。 でもそれはだから話していることであって、会話していることではない。 「・・・どうしたの? 固まっちゃって」 「もう俺達 付き合ってるような もんじゃん」 ?× 20 「いや・・・付き合ってないよ。何言ってんの」 「え。俺達、 でしょ?」 突然な発言。 「よく目合うし、好きなゲーム一緒だし、今だって恋人繋ぎしてる」 ?× 50 恋人繋ぎは無理矢理なような気が・・・ 「キミって俺のこと好きなんでしょ? 4月の時唯一俺に話しかけて、笑いかけてくれたじゃん。それって俺のこと好きだからじゃないの?」 いやあれは近くの席だったし。話したといっても四人班で授業中活動する時しか話してないよ・・・。 「好きじゃnーー」 「・・・あ、そっかあ」 手がほどかれる。ようやく元に戻ったかーー 「 ねぇ、俺達しよ? 」 「だって俺ら 両想い 、だもんね♡♡」 ------ ※ 主人公は一人暮らししてます  (・・・昨日は全然寝れなかった) あんな爆弾発言言うから。せめて冗談と思わせて欲しい。 お陰で学校にも行きたくない。 ピンポーン 「朝ご飯の作り中に・・・」 こんな朝から誰だよ。 『はーい』 ・・・あれ? なんか嫌な予感がした。私の手が『開けちゃダメ!』と言っている。 手が動かない。 ピンポーンピンポーンピンポーン 「無視しよ」 こんな時間に鳴らすとか、おかしすぎる。 ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン... 「ヒッ...!!」 恐怖しかなかった。 (あ...けな、きゃ......!) 「ねぇ、いるんでしょ?」 その声の主は、 「俺達、 結婚 するじゃん?」 「 だからね、 婚姻届 出しといたよ」 頭の中が真っ白になった。 何も考えられない。 (ウ、ソ...でしょ?) 「嫌...ッ!!」 ガチャ ドアが開けられる。 ? × 100 「どうしてッ...! な...んで」 頭が恐怖で埋め尽くされる。 「あーかわい」 「これからは俺と一緒に過ごそうね?」 「俺の 奥さん 」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加