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タンレイナカレシ
私には、彼氏がいた。
超イケメンで、超人気者で超頭良くて・・・
だからなのかな。
いつしか、
( こんな私と付き合ってていいの? )
と思うようになった。
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「うわ、またくっついてるよ」
「本当。彼氏が可哀想」
私が彼氏といると、他の女子から凶器を向けられるようになった。
その被害は私だけじゃなく、彼氏にまで及んで。
『あんな陰キャと一緒にいていいのー?』
『釣り合わないよ~』
私も、彼氏も対応に困っちゃって。
(彼氏に迷惑は掛けたくない)
だから彼氏と一緒にいる機会を減らして、隣の家の幼馴染とよくしゃべるようにした。
幼馴染とする話は面白い。時間なんて忘れちゃうほどに。
いつの間にか私の頭には 幼馴染 でいっぱいになってしまったの。
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俺には、とっても可愛い幼馴染がいる。
「ねね、一緒に帰ろ」
「あれ、彼氏はーー」
「学校のすぐ後に塾があるからって。最近一緒に帰ってくれないんだよね・・・」
よっしゃ。嬉しすぎて空で舞ってる気分。
俺達は幼馴染だから、いつも一緒だった。
だけど人の恋路は幼馴染でも変えられなかった。
『私ね、好きな人ができたの』
『隣のクラスの人なんだけどね・・・!』
『これ話してんの、幼馴染のあんただけなんだからね』
片想い中の相手の恋バナなど聞きたくもなかったし。
でも君がこんなに違う奴のことで笑顔になってるって想うと、複雑でしかたなかった。
彼氏ができた時も、祝ってるフリして『早く告白すればよかった』って・・・
「髪、切った?」
「・・・お。よく気がついたね。そう、ちょっと切っちゃったの!」
俺の横を歩きながら少し切った髪の毛を弄る。
ちょうど俺と同じくらいな綺麗な黒髪。
「俺、好きだなぁ・・・」
「えっ」
自分だと思ったのか、頬を赤く染めた。
が、俺と幼馴染だからかすぐ元通りになってしまった。
「もう、びっくりしたぁ」
あぁ。
「めっちゃイライラする」
なんで俺って幼馴染なんだろう。
なんでその先の関係へ進めないのだろう。
高校生になってから、キミは周囲から注目を集めるようになった。
俺以外の奴と関わることも増えたし、友達も増えた。
俺だって友達は増えたし、群がる女も増えた。
そんなのは当たり前。
わかってる。
わかってるけど・・・
「なぁ、」
「ん?」
「俺、好きな人いるんだけど・・・相談乗ってくんね?」
早く二人が別れるようにしてやる。
そしてこれからは俺のーー♡♡
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『ねぇ、浮気してんでしょ』
そう送ろうとしたけど、やっぱやめた。
今日も見てしまった。
君とその幼馴染の二人の会話。
あんなに楽しそうな笑顔、見たことない。
ねぇ、
(僕は君の何なの?)
僕は
君の、彼氏だよね・・・?
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今日も僕は昨日の自分よりもっとカッコよくなるために努力する。
あの幼馴染を越えるため。
もっと君に、見て欲しいから。
でもね、そのお陰か最近目が合うようになった気がするんだ!!
つまり、
君って
僕のこと、
好き ってことだよね?
幼馴染がいるのはわかっている。いつも喋ってるのは知ってる。
だけど強く愛しちゃう。
しょうがないよね。
僕は彼氏だもん♡
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「一緒に帰ろー?」
「ごめん。この後すぐ塾があって」
「・・・そっか」
少し君は俯いて。
幼馴染の方に駆けてった。
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ガチャ
「失礼しま~す」
親を一発仕留めちゃえば、家に入るのはとても簡単だった。
「最近聞いた音楽は?」
「最近のトーク履歴は?」
「あ、棒アイスある。ってことは、君が食べたアイスの棒もまだあるはず・・・」
「君のスマホに僕の指紋つけちゃお」
え、キモい? なんでそう思うの??
だって僕は彼氏だよ? 隅々まで知って当たり前でしょ?
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「あははぁ・・・♡」
さんざん僕の跡をつけた。
でも知りたいのは、君にとって僕はどんな存在か。
少しでも想っててほしい。
少しでも僕がいてほしい。
だけど君は「 好き 」って言ってくれないでしょ?
僕って、愛されてるよね♡♡?
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「帰ろ」
君の家から出て少し歩いていると、君の家の近くの排水溝から好きと嫌いが混ざった何とも言えない匂いがした。
曲がり角から二人の少年少女が現れる。
その顔は、いつも通りアイツにしか見せない笑顔で。
ずっと突っ立ってていい?
ずっとこのままでいい?
いや。
他の奴に取られても、
絶対に奪ってみせる。
昔の付き合い始めた時に戻ろう。まだあの初心な時まで。
そして今度はずっっっっと二人で過ごそう♡
だってぼくが、きみのかれしだもんね?
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へたくそになっちゃったけどここまですくろーるしてくれてありがとう
、
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