18人が本棚に入れています
本棚に追加
素直になりたいっ!!
※私は彼氏と付き合っており、同棲をしています
------
突然だが、最近彼氏のアイツが冷たい。
まぁ付き合い始めた時から同じ感じなんだけど。
そのせいか恋人らしいこともしたことが無い。せいぜい手を繋ぐ(恋人繋ぎではない)くらいだ。
手を繋ぐなんて他の子でも出来るはず。
(本当はアイツ、私のこと嫌いなんじゃないかな・・・)
もう好きじゃないのかもしれない。
------
そのことを友達に話したら、
「じゃあ、別れちゃえばいいじゃん!」
「え」
綺麗などストレート。
「一回離れてみてさ、アイツがどう思ってるか確認してみればいいんだよ! そしたら、気持ちが分かるんじゃない?」
確かに。
「ありがとう。やってみるよ」
------
「はぁ・・・」
家に帰る途中、「やっぱり言うのやめようかなぁ」って思った。このまま本当に別れるのは嫌だから。
私はまだアイツが好き。だけど一か八か。もし本当に冷めてたら・・・いや、考えるのはやめよう。
ガチャ
「ただいま~」
「ん」
おかえりくらい言って欲しい。
「あのね、大事な話があるの」
「・・・?何?」
大したことではないと思っているのだろう。緊張で魂が抜けそうだ。
「私達、別れよう」
「え、なんで?」
「だって付き合ってもずっと冷たいし、本当は私のこと嫌いなんでしょ。私だけじゃん、甘えてんの」
「・・・・・・」
「反応なし? 図星ってことだよね。」
「同棲もやめよう。今月までは私もお金出すから」
「・・・・・・・・・・」
「じゃあね、バイバイ」
スマホを取り出し操作する。友達に連絡しなきゃ。
『今から行くね!』
送信ボタンを押す・・・その一瞬の間だった。
突然脳天に衝撃が走った。
ぐらりと視界が回転して、平衡感覚がおかしくなる。
私は、頭を純器のような物で殴られた。
煙のように、意識が薄まっていった。
------
俺には好きな人がいた。『好きな人に接する 方法』など恋愛についてたくさん調べたが、実践出来なかった。素直になれないからだ。
どんな風に好きな人に接すればいいのか・・・考えて考えるほど俺は冷たく接してしまう。
そんなある日の放課後、俺は好きな人本人に告白され付き合うことになった。
でも付き合っても状況は同じだ。前と同じどころか、より冷たく接してしまっている自分がいた。
(誰かに相談しよう)
そう思ったが俺の口は開かなかった。こんなことを相談する自分が情けなく感じていた。
「ごめんな」
つまりは俺からの愛が届いていないからこんな話になったんだよな?
じゃあ、
俺からの愛を感じさせればいい。ただそれだけだ。
------
目が覚めたら薄暗い部屋の中にいた。随分と長く寝た感覚があり、体全体が心地良く痺れている。
(この部屋は・・・アイツの部屋!?)
微かにアイツの匂いがする。
「ねぇーー」
ジャラッ
「え。何、これ」
体が思うように動かない。
下を見ると、何かに縛られて・・・!
「あぁ、それは足枷。変に動くと傷がつくぞ」
扉が開き、アイツがやって来る。
これ全部、あんたがやったんでしょ。
「ねぇ・・・なんで、こんな事するの・・・?」
涙が出そうだった。
「俺は、お前がいないと生きていけないの。なのにお前が俺から離れるから」
「こうでもしないと、俺の愛が伝わらないだろ♡」
当たり前のような顔で言ってくる。心の中ではそんな風に思ってくれてたんだぁ・・・♡
何故だろう。嬉しいと感じてしまうのは。
「私は好き。あんたが好き。だけど、こんな事はして欲しくない」
プハッ 突然吹き出す。昔は好きだったが、今では狂気にしか思えない。
「さっき言っただろ。お前が俺から離れるのがいけないんだって」
どんどん二つの影が近くなっている。
「お前が俺を受け入れてくれるまで」
「ずっと、この鎖で永遠に・・・」
「愛を紡いでいこうな♡♡」
普通だったら怖く感じてしまうのかもしれない。
だけど私は幸福に駆られている。
普段アイツからの愛なんて、もらったことがないから。嬉しかった。
「うん♡♡」
一生ここで二人でいよーね♡
最初のコメントを投稿しよう!