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scene 6
キャラクターの登録を終えた私は、次に「部隊の編制」を始めた。
第一部隊は、
☖塚原卜伝〔コンバットマンA〕
☖足利義輝〔同B〕
☖上泉信綱〔同C〕
☗山本勘助〔同D〕
☗宮本武蔵〔同E〕
☗荒木又右衛門〔同F〕
第二部隊は、
☖柳生宗矩〔コンバットマンG〕
☖柳生十兵衛〔同H〕
☖岡田以蔵〔同I〕
☗御子神典膳〔同J〕
☗小笠原玄信斎〔同K〕
☗佐々木小次郎〔同L〕
※☖は前衛、☗は後衛。
当面は以上の二隊で〔妖怪御殿〕を探索するつもりである。もし「第三部隊の必要性」が生じた場合は、その際に編制すればいいだろう。待機組は八人いる。このゲームの大部分を支配するものは「コスト COST」と呼ばれる財力である。改造手術、追加手術と再改造、治療と蘇生、各種アイテムの開発など、コストがなければ「何もできない…」仕組みになっている。地獄の沙汰もコスト次第というわけだ。初期コストは「3000」であり、用途をよく考えた上で使わないと、序盤早々に頭を抱えることになる。
コンバットマンは全ての武器防具が装備可能だが、成長性は低い。私としては、第一部隊の六人の内、一人でもサイボーグ戦士に改造したい。しかし、最もコストがかからない〔ばった怪人〕のそれが「2000」なのである。次に強い〔うつぼ怪人〕が2500。その次に強い〔くも怪人〕は3000であり、改造した瞬間に全財産が飛ぶ。同時に、武具類、道具類、薬品類を購入する余裕も消え去る。思い切って、くも怪人を作るか、あるいは、コストがある程度貯まるまで、オール・コンバットマンで頑張るか。なかなか悩ましい。
私は椅子を離れ、冷蔵庫を開けた。氷片を落としたタンブラーにミネラル水を注ぎ、適量のウイスキーを垂らした。私の好きなカクテル、ウイスキー・フロートである。手元の指南書には「ウイスキーをふわっと浮かべるのがコツ」とあるが、成功したためしは少なく、今夜も失敗した。一口呑ってから、ゲーム再開。コンバットマンAをばった怪人に改造した。残りコストが1000になった。
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