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「そもそもさぁ、何で俺と克己が付き合ってるって思ったのか正直に話してみてよ?」 前屈をし終わった光琉が座り直り優しく聞いてきた。 「だって…、光琉たち2人で居るの多かったし…。克己は光琉とだと楽しそうにしてるし…雰囲気でわかるじゃん…そういうの…」 チラリと克己を見ると、克己はブンブンとすごい勢いで首を横に振った。思わずビクッとなる。 「いや、違うんだ!あれは「ああ、いいから、理琉 続けて」…おいっ!」 光琉は克己の口にテーブルにあったクッキーをタイミング良く入れて黙らせた。 光琉に促されて僕は続けた。 「…この前だって光琉、顔を真っ赤にして克己の家から帰ってきたり、腰が痛いとか言ってたし…。だから、2人は…その、…恋人同士だから……だから…その…」 自分の言ってることに恥ずかしくなって段々と顔が下を向いていくし、声も小さくなる。 「えー、俺そんな誤解されるようなこと…したかぁ? …ああ!わかった。そっかぁ。」 光琉は1人納得してニヤリとしてる。 「それよりさぁ、理琉。俺達が部屋で何してたと思ったの?」 「あの、…その…」 カー ッと顔が熱く赤くなり、言い淀む僕を、光琉はニヤニヤ笑い、覗き込む様にしてそう言ってくる。隠すように俯いて、光琉から顔を逸らしていたら、更に追い打ちがきた。
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