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次の朝、早く家を出る光琉と顔を合わせる事がなくてホッとした。 多分また克己と一緒に登校だろうな。 光琉、良いなぁ…。 何で僕じゃないんだろう。 突然自覚した恋心は成就する事はないし、辛いし、苦しいし。 そんな事ばかりを考える自分が嫌になる。だから早く忘れなきゃなぁ。 今はどのクラスも学校祭の準備期間で、僕のクラスは定番の喫茶店。 「柳井くん、色塗りが終わったら衣装合わせするからね~!」 僕は看板の色塗りをしながら、ニコニコ顔の九重さんに「はい」と応え、ため息をひとつ。 数日前に女子が、いや、クラス委員長の九重さんの鼻息荒い鶴のひと声で決定した喫茶店。このクラス男子より女子の方が人数多いし多数決で決定したんだよね…。 九重さんは黒板を指さし、声を高々に宣言した。 「我がクラスの目玉は男子のメイド5人&執事5人!残りは裏方をやって貰います!決定事項だからそのつもりで!」 強いね。ははは。 男子の誰にメイド&執事役をして貰いたいかの投票が行われた。 男子全員が天国と地獄を味わった。 …あ…。 「きゃー!!柳井くんおめでとう!メイド役ありがとう!!期待してる!!」 九重さんのこの歓喜の声でクラス全員からの拍手とどよめき。 僕、地獄のメイド役。 黒板を見ると恭は執事に選ばれてた。 ―――拒否権はない。そのつもりでと、クラス全員に言われた。
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