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「「……………」」
光琉が出て行くと、気恥ずかしくてお互視線を逸らした。
それでも、先に口を開いたのは僕だった。
どうしても聞きたい事がある。
はぐらかさず本当の事を聞かせて欲しい。
ドキドキと心臓がうるさい。
「―――克己は、昔から光琉の事が好きなんだと思ってた…。」
「違うっ!俺が好きなのはっ!」
克己はそこまで言って、ハッとしたように下唇を噛む。
「ねぇ、…誰?克己の好きな人。
―――教えてよ…?」
克己は一度目を瞑り、ふぅっと息を吐き、真っ直ぐ僕を見詰めながら、ゆっくりと口を開いた。
「―――理琉だよ?俺の好きな人。
あのな、理琉…。言っとくけど俺の好きは恋愛感情の好き…だからな?
理琉を抱き締めたいし、触りたいし、キスもしたいし、セックスもしたい。そういう意味での好きなんだ。
だから……、理琉と一緒にいたら、手を出しそうで…。絶対に嫌われると思った。話もして貰えなくなるって…。
だから、光琉に相談して距離を置こうって…そう思ったんだ。
ゴメンな?」
「あっ…」
顔がぶわ~って熱くなった。
今、僕の顔は真っ赤になってると思う。
克己に抱き締められたら、触られたら、キスされたら、セッ、セックスしたらと想像したから僕の頬が余計に熱い。
「僕はどんなことをされても、克己なら全然平気だし、僕が、克己を嫌いになるなんてあり得ないよ?
僕、克己を好きだって自覚したのは、つい最近だけど…。
克己なら…いい。
僕は克己が好きだから。僕の好きな人は、克己だから。だから…」
克己は嬉しそうに僕の頬を撫でる。
「理琉、好きだ。俺と付き合ってくれる?」
「……うん…僕も好き。…克己が好きだよ」
ゆっくりと克己の顔が近付いてきて、僕は目を瞑る。
「好きだよ?理琉……」
シトラスの香りがふわりと漂い
甘やかな囁きが僕の耳に届き
唇が重なった―――――…
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