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はじめてのキスにドキドキしていたら、フワリと抱き締められた。 克己のシトラスの香りと体温と心地良い腕の中。 伝わる唇の感触。 克己と今、キスしてる――… この感触に何故か身に覚えがあるような……気のせいかな…。 唇の感触を楽しむように何度も啄むようにキスをしてくる。 僕はされるがままで――… 下唇を舐められ、口を薄く開くと舌が口内に入ってきた。 「あっ…、んっ…」 歯列を舐められ、上顎をなぞる。 克己の舌が僕の舌に触れて、僕はおずおずと舌を絡ませる。 舌と舌が絡み合い、キスが気持ち良くて、ピチャッピチャッと静かな部屋に響き、その水音に煽られる。 「んっ…あっ ふっ、……っ」 「…んっ…理琉、蕩けた顔して、…かわいいな…」 頭を抑えられ、角度を何度も変えられ、深く舌が口内に入ってくる。克己の舌が僕を翻弄する。 送られてくる唾液を飲み込めずに口からツーと垂れていく。 僕は必死に克己にしがみつく。 息が乱れ、体が熱い。 「ふぁ…っ」 唇が離れた。 息が上がり頬が熱い。 僕は濡れた克己の唇を見詰めた。 もっとしたい。 もっと克己とキスがしたい。 「…理琉その顔ヤバい、凄くエロい顔してる。」 「えっ…? ……ぁっ!」 言われて恥ずかしくて、慌てて離れようとしたらギュッと抱き締められた。 「もっとしたいけど、これ以上したら我慢できなくなるし。 それに光琉の部屋だし。…な?」 克己の甘い声にゾクゾクする。 「―――う ん…」 見ると克己は艶を帯びた笑みを浮かべてた。 ―――ドキドキ静まれっ…!
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