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開始早々、僕のクラスは戦場だった―――…
「お帰りなさいませ。ご主人様」
「お帰りなさいませ。お嬢様」
来客のたびに笑顔でメイド役そして、執事役の男子が言う。
教室は満員御礼。長蛇の列。
バックヤードもまた戦場だった。
「はい!これ3番テーブル」
「オムライス早く持って行って!」
「ご指名オプション入りまーす!撮影はこちらになります!」
「「ありがとうございます!」」
皆ノリノリだ。
写真撮影、メイドの「美味しくなあれ」の掛け声。そして、「あ~ん」して食べさせるというオプション。この3つを別料金としたからかなりの売上だろう。
店長(九重さん)はほくそえむ。
「商売大繁盛だわ!ほら、可愛い子ちゃんたちもうひと踏ん張り頑張って~!」
恭も人気で色んな人から声をかけられている。
意外にも完璧な対応。
「恭、モテモテだね」
「嬉しくねーよ。理琉もだろ?」
他校の生徒から連絡先を聞かれたり、軽くボディタッチまでもされた。そのたびにクラスのガタイの良い男子、口の減らない、いや、口の上手な女子が追い払ってくれた。
やっと交代の時間になった。
克己と一緒に学校祭を見て回ると約束をしている。着替える時間が勿体ないからそのまま克己のクラスがやっている、外にある出店エリアにメイド服姿で行った。
皆に注目されてる感じはあったが気にしない。
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