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「フランクフルト食う?」 「ありがとう」 空き教室でシタ後で克己が僕に寄越してくれた。 出店も見て回りたっかけど、今日は止めて明日今度こそ一緒に回ろうと約束した。 その時はメイド服は無し俺が理琉を迎えに行くと言ってくれた。 窓からみたら賑やかだ。 明日も一般公開をする。   「克己たちは打ち上げとかどこでするの?」 「ん――。カラオケに行く事になってるけど行きたくねーな」 「何で?」 「ん――、なんとなく?理琉は?」 「教室でササっと簡単にやって後日改めてどっかでやるみたい」 「そっか。なあ、ラストの実行委員のダンス披露終わったら、そのまま抜け出さね?体育館のステージ片付け明日なしだし。 …光琉はクラスの奴らと一緒にカラオケ行くって張り切ってたし。 …終わったら連絡する。 理琉それで…俺の家に来てくれるか?」 何? なんでそんなに緊張して言ってるのかな? 「うん、良いよ?」 「サンキュー」   ぱぁっと克己が笑顔になった。 僕もつられて笑顔になった。 食べ終えて衣服を整えてそれから教室を出た。 自分の教室に戻ると『本日の営業は終了しました』の張り紙が。 予定より早く完売したらしい。 皆グッタリしていたが、 九重さんは生き生きとしてた。 さすが親方。 恭は執事服を着替えてた。 「恭、お疲れ様」 「おう、おつ」 僕もメイド服を隣で着替えようとしたら恭にあわてて別教室に連れていかれた。メイド専用教室だそうだ。他のメイドも居た。 九重さんに 「明日もしっかりお願いね」と言われクレンジングを渡された。 うん、頑張ろう。 それよりも―――。 家に帰ってから気が付いたんだけど。 僕は克己が抜け出す本当の意味をわかってなかった。 光琉がカラオケで居ない。 ウチも克己の両親も共働き。 と、いうことは――――… そういう事…だよね……?    
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