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「何言ってるの?柳井くん。まだ終わりじゃないでしょう?
まだ15分あるでしょ?
たかが15分だと?されど15分なのよ?
キッチリあと15分しっかり働いてよ?売上貢献してよ?柳井くん!」
「…はい、店長」
真顔で九重さんに言われてしまった。
凄いよ、九重さんの情熱は。
あ、克己だ。
克己がドア付近で様子を伺っている。
思わず笑顔になって近付いてわざと言ってみた。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「――あっ、まだ、終わらない?混んでるなぁ。」
克己の顔が赤くなった。
「うん、あと15分待って貰える?これで接客係終わりなんだ。中に空いてる席あるから座って待ってて。何か注文する?」
「うん、じゃあ待ってるよ」
席を案内してメニュー表を出し、
オレンジジュースを注文された。
その後オプションの「美味しくなぁれ」を克己に注文された。
めちゃくちゃ恥ずかしかった。
「柳井くん!上がって良いわよ」
と、九重さんからやっと許可が出た。本当にキッチリ働いた。
最終日は追加のメイド、執事が投入された。女子もメイド服着てるし、もはや何でもありになっている。
貪欲に売上を伸ばしてる。
これが九重さんの手腕なのか…?
「克己終わったから着替えてくるね」
「あ、待って一緒に写真撮ろう?」
「うん、じゃあ一緒に来て」
教室で撮ったら煩く言われるしね。
着替える為の隣の教室でメイド服姿の僕と克己はツーショットを撮った。
恭も来て、写真を撮って貰ったし、恭と僕の写真も克己に撮って貰った。
克己はちょっと微妙な顔してたけど。
着替えて克己と出店を回る事ができた。
実行委員のダンスパフォーマンスも 見ることができた。
ウエスト・サイド・ストーリーの有名な部分を切り取り、ダンス披露をされた。
光琉のストレッチの成果が出たかは微妙だけど、マリアとトニ―役のメインの二人は凄く上手だった。
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