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トイレから出て戻ろうとしたら 同じくらいの年の男2人に声をかけられた。 「あ~!久しぶり。元気だった?」 「えっ?……えっと――」 え?誰?って戸惑っていたら 「覚えてない?中学一緒だった…あ、ゴメン!人違いだった。あはは」 「いえ、大丈夫です」 良かった、知らない人だ。 そのまま通り過ぎようとしたら、前を2人に塞がれた。 「ねぇ?1人?良かったら一緒に遊ばない?」 「いや、あの…」 あ?ナンパ?僕、男だよ? 女じゃないよ? また戸惑っていたら右腕を掴まれた。 「…やっ、ちょっと離して」 「良いじゃん、行こうよ?」 「やだっ、離してって言ってるでしょ?」 ナンパ野郎2人ニヤニヤしてるし、振り払おうと抵抗しても離してくれない。 勘弁してよって焦っていた時―― 僕の背後から手が伸びて、ガシッと男の手首を掴まえた。ナンパ野郎の手の力が緩んだ隙に、僕は振り払って距離をとった。 「おれのツレに何か用?」 怒気を孕んだ低い声がした。 ナンパ野郎2人は目を丸くして固まってる。 「――― 常磐…っ」 振り向いたらクラスメイトの 常磐 恭(ときわ きょう)がいた。 ちょっと目付きがキツめで、無愛想。それでも美形だから女子にモテて、身長だって高いし…。 常磐の見えない怒気オーラで、ナンパ野郎2人は顔を引き攣らせていた。
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