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「な、なんだ、彼氏いたんだぁ。それならそうと言ってよぉ?ゴメンねぇ。彼女1人だったからさぁ」
「ぷっ…。彼女?あっははは」
さっきと打って変わって常磐が僕を見て笑ってる。
目尻に涙なんか溜めて笑ってる。
爆笑してるし。
でも、常磐って笑うんだぁ…。
学校じゃあ見ないから貴重かも…。
そんなことよりも!
「か、彼女じゃない!」
僕は思わずナンパ野郎2人に言ってしまった。
面と向かってそんな事言われて
多分、僕の顔は恥ずかしさや羞恥心で真っ赤だと思う。
常磐は僕を楽しげに見ながら、更にからかうように
「行こう?彼女」
常磐が2人に見せつけるように僕の手と恋人繋ぎをして2人から離れた。
「違うだろっ!なんだよ!彼女って!離せよ!」
「ああ、まだ彼女じゃなかったな?」
「はあ?何言ってんの!離せよ!」
助けて貰えたのは良かったけど、ムカつく!
常磐と繋がれた手が熱かった。
あのナンパの2人が見えない辺りで繋がれた手が離れ、そのままカフェまで一緒に歩いた。
「―――お前、1人?」
「ううん、違うよ?光琉と克己と僕とで買い物しに来たんだ。今、カフェに2人がいるんだ。常磐は?」
「1人でブラブラ買い物してた。腹へったから適当に入ろうと思ってたら柳井に会った」
「へぇ、そうなんだ~?」
「なあ、あの2人って付き合ってんの?」
常磐はクイっと顎をカフェに向けた。
「―――― あっ…」
カフェのガラス越しを見ると、克己と光琉が向かい合わせで座っているのが見えた。
こちら側から見ると、克己が笑ってる。光琉は前のめりになって克己に何かを見せてる。
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