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まだ11時過ぎだけど、今お昼ご飯を食べてる真っ最中。
僕と克己はオムライスセット。僕はレアチーズケーキも注文した。
光琉はドリアセット。常磐はナポリタンセット。テーブルの上は賑やかだ。
コーラを飲んでから光琉が
「ねぇ理琉、それ一口ちょうだい」
「んー。ほら、光琉あーん」
僕のふわふわトロリのオムライスをスプーンで掬い、光琉をあーんさせて僕が食べさせてるのを見て常磐が呟いた。
「……柳井、仲いいな」
「「まあね」」
あ、光琉とハモッた。
「こうして二人並んでるお前らを見るの初めてだけど、双子なのにあんまり似てないな?」
「「はあ?」」
あ、またハモッた。
「理琉とは二卵性だからな。あんまりじろじろ見んなよ。減るから」
光琉はあからさまにムッとしてる。あまり容姿が似てないとか言われると光琉は本当に嫌がる。
僕はもう諦めてるけど。
「光琉、そんな言い方しなくても。あ、常磐も食べてみる?ここの美味しいんだよ? ほら?あーん」
「お?くれんの?」
目の前の常磐が口を大きく開いた。常磐にスプーンを向けたら、克己が僕の手を掴んでそのまま自分の口に入れた。
そして、克己のを常磐に食べさせてる。
「…は?なんで?」
常磐もびっくりしながら食べてるし。光琉は楽しそうにケタケタ笑ってるし。
もう、ここお店の中だから!
皆 見てるから!
きゃっきゃっ言われてるから!
「本当、何のまね?」
小声で聞いたこの問い掛けに誰も答えてくれなかった。
常磐がへぇって感じで克己を見てニヤリとしてる。
克己は何事もなかったようにまた自分のを食べてるし。
光琉は克己を見て何かを言いたげでニヤニヤしてて、この状況を面白がってるし。
もう、皆、意味わかんないし。
自然とため息が口から漏れても仕方ないよね…。
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