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3
ドアを開けたその瞬間 ――――
途端に小さな悲鳴と視線を感じたが気にせず無視。
壁側にあるベッド上にいるであろう2人を視界に入れず、無言を貫き部屋に入った。
『浮気がわかったら直ぐ別れる』
“浮気疑惑”の時に釘をさして、バカレシの目の前で、これ見よがしにスーツケースに荷物を入れて、それを出されないようにカギもしておいた。クローゼットからそのスーツケースを引っ張り出して必要なモノをまた詰め込む。
固唾を飲むように無言の2人の視線が背中に感じて痛いがそんなの無視。
「「「…………」」」
改めてベッドに視線を向けた。
自分のカレシだった男に全裸で跨がったままの男と2人してそのまま固まっていた。
―― 女だと思ったら男だった。
そっちの方が驚きだ。
甘ったるい声なんか出しやがって!
顔は、オレの方が可愛いのに浮気しやがって!
「あとの物は処分してくれてかまわない。それと…」
キーケースから鍵を外し、股がったままの男の足元に投げ付けた。
間抜けなくらい怯えてる二人に嫌悪感しかない。
言い訳なんか聞くつもりはない。
「ごゆっくり。もう連絡してくるなよ?」
理一がハッとしたように口を開いた。
「ま、待って!煌太!こ、これは、その…スポーツだ!断じて浮気じゃない!」
「……………はぁあ?」
自分でも驚く程低い声が出た。
間男も小さく「…えっ?」って言ったのをオレにも聞こえたぞ。
その珍回答でオレはその場から動けなかった。
なんと言った?と一応聞いてみた。
「これはスポーツだ!」
――― 言い切ったよ。こいつ…。
男を跨がらせながらそんな事を言ってくるから、悲しいよりも呆れた。
何だよ?スポーツって…。
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